姫と呼ばないで
≪ プロローグ ≫
むかしむかし、あるところに。 いろがしろくて、とてもきれいなおひめさまがおりました。 おひめさまは、おとのさまのたからもの。 おしろのおくふかくで、だいじにだいじにそだてられました。 だから、おしろのそとにすむひとたちは、おひめさまをみたことがありません。 おしろのなかにすむけらいでも、おひめさまのおかおをみたひとは ほんのすこししかいなかったのです。 だって、しかたがありません。 『しんそうのひめぎみ』とは、そういうものなのですから。
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誰かが何か叫んでいる。
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『案山子姫異譚』を同人誌に収録する際、イルカがカカシと共に城から逃げなければならなくなった経緯を描いたマンガを、そのまま載せるのに躊躇いが生じた為、文章で書き直して掲載致しました。 マンガはそのままWEB上に掲載しておりますので、ご興味のある方はこちらをどうぞ →★ |