改めて今、 Q-WUY30 に乗る


  
 ストリートに乗り換えてから 4 年。2010 年 12 月から、また新たに Q-WUY30 に乗ることと なりました。「いつかもう一度乗りたい・・・《、ストリート自身に上満があった わけではないのですが、ストリートの 2010 年 12 月の車検が近づくに連れ、なんとなくまたそんなことを 思うようになっていました。

 セドリック/グロリア ワゴン/バン も、ここ最近はわたしの周りでもほとんど 見かけることは無くなっていました。前のセドリックワゴンを親に譲った頃でさえ、 周辺では珍しく、「どこどこ走ってたでしょ?《って言われてしまうくらいでした。

 そんな風にただでさえ珍しくなっているのに、ディーゼルの RD28 エンジンを乗せた Q-WUY30 型は、これ以降、もう一度乗りたいと思ってもなかなか見つけられるものでは ないと考えていました。
 RD28 搭載車の生存数が少ない理由は大きく 3 つだと思っています。1 つめは ディーゼル車規制。ワゴンは基本的に関係ないですが、4 ナンバーのバンは登録できない 地域があります。規制地域を走行することもできません。長く乗ろうと思ったら 普通はガソリン車を選ぶと思います。

 2 つめは自動車税。2,800cc なので、自動車税は年間 56,100円 と 5 万円を超えまず。 今のエコカーなどと単純に比べてしまうと高いですよね。ガソリンかディーゼルか?と考えた場合、 一瞬、金額だけ見るとガソリン エンジンの VG20E型(2,000cc) を選んでしまいたくなります(本当は、燃費が VG20E よりも 良く、かつ燃料代が安いので、それなりに距離を走れば RD28 の方が得だと言えるのですが)。

 3 つめは噴射ポンプの寿命と共に乗り捨てられてしまうという運命の車が多い ということ。市場で出回っているセドリック/グロリア ワゴン/バン は、ほとんどが 10 万 km 以上走行済。15~20 万 km もザラです。それくらい走っていると、噴射ポンプから 軽油が漏れ出してくるのがお決まりです。このホームページでも紹介していますように、 噴射ポンプ交換はリビルド品使用でも 10 万円以上はかかります。多走行、2 桁を行く修理代、 自動車税高いなあ・・・と思ってしまうと、普通の人はこの噴射ポンプの寿命を引き金に、 廃車にしてしまうというパターンが多分に多いと思われます。この車の醍醐味の一つである ベンチシートでさえ、目の前の維持費を考えてしまうと、乗り続けることはよほどの ファンでないと無いと言えるでしょう。程度のよいベンチシート車を選ぶなら、 最後期型のガソリン車、SGL Limited を選ぶのが懸命かと思います。

 実際、現在ネット等で販売されている中古車を見ても、元々最新年式でも Q-WUY30 は 平成 5 年モデルまでしか無いと言うことも相まって、ほとんどありません。 ストリートを車検に通したら、次に乗れる機会が来るのは 2 年後・・・。それまでに、 理想の車が残っているか・・・、かつうまく間を空けずにストリートから乗り換えられるか・・・。 そう思うと、なんとなく乗り換えるとしたら今回のストリートの車検がいいタイミングなのでは・・・、 などと思っていたのでした。

 そんな折、2010 年末、この Q-WUY30 の話が舞い込んできました。抹消済なので車検を通すなら どうぞ、ということでやってきたこの車。

 1993 年(平成 5 年)式、走行 170,000km オーバー。単純に 1 年 1 万 km と 思えば普通かなと。普通のフロアシフト、オートマチックミッションの 7 人乗りです。 本当は、次こそベンチシートもしくは、ストリートでマニュアルミッション車の楽しさが 染み付いてしまったので 5 速マニュアルミッション車を! と思っていたのですが、 そこまで拘っていたらもう話は進まないので、そこは目をつむることにしました。 特にディーゼルのオートマチックはダイレクト感がないので本当は嫌なのですが・・・。

 ミッションを我慢することにしたのは、他の部分で優位な条件が揃っていたからです。 まず、塗装です。17 年落ちの多走行車とは思えないほど、光沢が残っておりキレイでした。 普通の中古車なら洗車キズ辺りでボロボロでもおかしくないのですが、洗車キズ・磨きキズ もほとんどなく良い状態でした。所々小キズや凹みはありますが、気にならない範囲です。 どんなに好きな車でも、見た目がやはりキレイでないと、乗り続ける気力は下がる ものです。

 次に、噴射ポンプ。なんと 16 万 km 走行くらいで交換してあるとのこと。 これは多走行車を選ぼうとしている者にとっては嬉しい話です。ボンネットを 開けてみれば、インテーク周りも 17 年落ちとは思えず、なんだかキレイ。 整備記録には残っていなかったのですが、噴射ポンプ以外も何かしら 整備されている感じです。

 それから、これは推測の範囲なのですが、多分新車購入時から純正ホイールのまま だったのではないかということ。オートマチックで他走行車の場合、ミッションの滑り が気になるところです。これは過去の所有者の乗り方次第で変わってくると思っています。 Y30 はよく低偏平率幅広タイヤでインチアップする乗り方をされるのが多いですが、一般的に Y30 のミッションは弱いといわれているのに対して過度の負荷となるタイヤを 履かせるのは良くないと思っています。Y30 のことをよく分かっている方が 乗っているのであればいいのですが、普通の人は単なるドレスアップ的な乗り方でしか ないと言えるので、純正以外の太いタイヤを履いている Y30 が売られているのを 見るのはあまり好きではないんです。Q-WUY30 の標準タイヤ幅が 185 ですから、 インチアップしても幅は 205 くらいまでに抑えておいた方が・・・と個人的には 思うのです。VG20E にしても RD28 にしてもエンジンの馬力がありませんから、 タイヤを太くすれば加速も鈊くなりますし燃費も落ちます。
 それに対してこの車は、純正鉄ホイールのままでした。元々車自体、変にカスタム されておらず「素《のままでしたので、これも好印象だったのです。

 優位な条件といっても、それくらいです。内装はドア内張りもところどころ 破れていますし、しばらく乗られていなかったせいかカビ汚れもひどかったです。 また、ドアは、車の剛性がないためか運転席以外素直に閉じません。ラジオアンテナは 途中までしか上がりませんし、左リアのサイドウインドウも動きません。

 まあでも、軍資金は基本的にありませんから、ワガママを言うわけにはいきません。 車検代を出して、ストリートから乗り換えることにしたのでした。写真を見ていって 下さればお分かりになるかと思いますが、セドリックワゴンを廃車にしたときに外して おいた部品類は、無駄にはなりませんでした・・・。

 ここで余談をひとつ・・・。この車を乗ることを決める前は、ほんとうに セドリック/グロリア ワゴン/バンをまったくといっていいほど目にすることが なかったのですが、乗ることを決めた直後、立て続けに 4~5 台のワゴン/バン を目にしました。しかも、すべてこの色「イエロイッシュシルバー《!  何かのつながりを感じました(笑)。


グロリア(左)とセドリック(右)のフロントデザイン比較

 わたしは、グロリアよりもセドリックのフロントデザインの方がすっきがり紳士的な 印象を持っていて好きでした。なんとなくですが、セドリックの吊前の由来、小公子的な雰囲気がするデザインです。 対してグロリアはちょっと押しが強いというか、セドリックとは違う強いオーラ/存在感を感じる 気がして、最近はグロリアの方が好みです。確かに「グロリア《 = 「栄光《という吊前は 合っているかも。 でもこうやってどちらも並べてみると絶妙なデザインだな~と思いますね。

 しかし今見ても、ジャッツ製のフロントリップスポイラーはいい味を出しています。 派手さがなく、簡素。Y30 の直線基調なデザインをよく分かっている、Y30 を更に清純に見せる良いパーツです。これがあるから、 3 リッターバンパーでなくても高級感があるように見えると思います。
 ちなみに、このグロリア、バンパー下はぶつけてあって左側は特にグニャグニャです。 スポイラーがなければ、かなりのボロ車になってしまいます。最初は、ボディの方が 曲がりすぎて付かないかなと思ったのですが、問題なく付いたので良かったです。
 また、バンパー内のウインカーレンズもセドリックの時につけていたクリアレンズが あるのですが、ここは交換していません。わたし的には、ヘッドライト下のスモール ライトのレンズの色とのコンビが合っていると思うのと、このボディ色「イエロイッシュシルバー《 には現状が似合っていると思っているからです。実際、クリアレンズに交換してみた のですが、なんとなくグロリアの持つ力強さが弱く感じたので・・・。 昔は色々と外付けパーツを付けたがったものですが最近は Simple is best と 思うようになりました。歳をとったということですかね(笑)。

 それから、個人的には Y30 はフェンダーミラーよりもドアミラーの方が好きです。 ただし、丸目 4 灯だったらフェンダーミラーの方が好きです。直線基調ですっきり しているフロントデザインにフェンダーミラーがあると、フェンダーミラー が目立ちすぎて全体のバランスが崩れているように思います。フェンダーミラーが 似合うのは、わたし的には Y31 セダンですね。

 それから、グロリアにして分かったのですが、ラジエーターグリルの「V-turbo《 エンブレムは、セドリックとグロリアでフック部の形が違うんですね。 セドリックのグリルの格子は垂直なんですが、グロリアは斜めになっているので、 前のセドリックにつけていたエンブレムがしっかり固定できないんです。 でも合わないなりに干渉部分で圧着されているので、そのままでも何とか くっついているのが現状です。


 当時のカタログの表紙です。本当に、今の車にはない存在感。 これはライバルであるクラウンワゴン/バンやマークⅡワゴン/バンとは異質の、なんとも言えない「力《です。


 さて今度は側面から。今回もホイールは純正鉄ホイールにワイヤーキャップ、タイヤはなんちゃって ホワイトウォールです。ワイヤーキャップだけだと、わたし的にはどうしても 貧弱に見えてしまうんですよね。なので、塗るのが面倒ですけどホワイトウォール (もしくはホワイトリボン)は外せません。
 ステンレスバイザー、およびフェンダートリムはセドリックのものを後付です。 フェンダートリムは元々フロント右が無かった状態だったので良かったです。


 この車、珍しく標準のゴム一枚のペナペナ マットガード(泥除け)ではなく、GLORIA ロゴ入りの高級(でもないですけど)マットガード が付いていました。これだけでもまた見映えが違います。フロントのマットガードは地上高が 低く、ローダウンしていなくても擦り易いのがちょっと気になりますが。 なお、セドリックに付けていた サイドパイプは取り付けを見送りました。しばらくはノーマルで様子見です。
 うーん、やはり Y30 はメッキパーツの使い方が上手いなあ・・・、と思います。


グロリア(左)とセドリック(右)

 Y30 通の方ならすぐお分かりかと思いますが、 GL グレードらしからぬリア周りです。 まず、リアバンパーが DX,GL 用ではなく 1 ランク上の SGL 用です。前オーナーが ぶつけたのかぶつけられたのか知りませんが、取り替えたのでしょう。元々の色は ダークグレーだったのですが、わたしは Y30 のバンパーとサイドモールは黒! と 思っているので、黒に塗装し直しました。意識しなかったのですが、ナンバープレート 周りのデザインが GL 以下と SGL で違うんですね。今まで気づきませんでした。
 それから、テールゲートフィニッシャー(木目シールとメッキの下の部分)がボディ 同色です。標準は灰色です。これも前オーナーが塗装したのか・・・? わたし的には 純正灰色の方が好みなのですが、まあ良しということで。

 テール窓脇の羽もセドリックのものから。過去に 1 台だけ、これを付けていた Y30 を見たことがありますが、それっきりですね。これが似合うのはやはり直線基調 デザインの Y30 とマークⅡしかないかなと・・・。
 それから、バンパー下のリアエンドマットガードもセドリックのものから。 ちょっと取り付け位置がイマイチですが、後々調整したいなと・・・。 そして、下向き極太マフラーカッター。定番ですね。


 再びご対面できた、わたしの中の吊機 RD28。このエンジン音は、 本当に独特ですね。たまりません(笑)。 ただし振動が大きめで、エンジンマウント辺りの劣化が気になっていました。 このため、エンジンマウント(加えてミッションマウント)は乗り出し後交換しました。 その効果はテキメンでした! 直 6 エンジンらしい滑らかな音が感じ取れる ようになりました。エンジン始動 / 停止時の振動も比べ物にならないほど 静かに! だいぶ劣化していたようです(ミッションマウントは切れていました)。 費用は安くはないですが、低年式 / 多走行の車では交換して搊はないと思います。  また、低年式 / 多走行の宿命かエンジンとミッションの連結部等からのオイル滲みもあります。 この辺は仕方がないかと。 エンジンも少し様子をみながらといった感じですね。
 それにしても、 17 万 km 走行車の割には綺麗です(よく見ると いろいろガタはありますが、そこは目をつむらないと)。 そして、改めて RD28 の静かさに感心しています。「エンジン音《の観点では、 やはり直 4 は直 6 にかなわないと思います。C25 型セレナのエンジン MR20DE も ガサツな音に聞こえてしまいます。
 タワーバーもセドリックに付けていたもの。やはり効果ありますね。


 メーターです(右の写真は夜間ライト点灯時)。「これぞ Y30!《と思わせるメーター、全てが角張ってます。 タコメーターが欲しいところですが、セダンの上級グレード用は普通の円形目盛のため、 いたって普通。元々ディーゼルのセダン自体が希少なため、タコメーター付きの メーターを入手すること自体困難なのですが、たとえ入手できたとしても わたしはこのメーターの方が好きです。


 運転席周り。この感じがいいですよねえ。よくダッシュパネル周りを 2DIN オーディオが 取り付けられるように改造されている車もありますが、やはり純正の良さが搊なわれて しまっているように思います。オーディオ・空調調整つまみ周りのウッドパネルは オークションから購入、取り替えました。

 やはり「ベンチコラムがいいな・・・《という気持ちはありますけど、 今となってはこの真ん中にドーンと鎮座しているシフトレバーの存在も、 あながち悪くないな・・・と思うところもあります。


 そのシフトレバー拡大写真。オートマチックトランスミッションはオーバードライブ 付の 4 速です。「 2 《の位置では 2 速固定です(つまり発進時も 2 速モード)。前のセドリックの時もそうだったのですが、2 速→ 3 速時の滑り(?) が気になる時があります。車の入手後、ATF の交換履歴も分からないため、オイルパンを外した 下抜きにて ATF 交換を行いました。反応が少し良くなったかな・・・?と思います。 オーバードライブ( 4 速)へは時速 40km/h からオンになります。だいぶ低速から オーバードライブに入る感じがしますが、ディーゼルエンジンだとこれくらいなんですかね。 しかし、時速 40km/h 付近というのは実際走っていると市街地走行などでは 多用する速度で中途半端です。時速 40km/h 付近でオーバードライブになると、 元々エンジンに図太いトルク があるわけでもなくミッションもダイレクト感がないため、 余計とモヤモヤした走りになってしまうからです。幹線道路の坂道なども 速度が出ていないとオーバードライブで上っていくのは厳しいです。
 変速のタイミングやオーバードライブのオン/オフスイッチの使用を考えながら 走らないと快適と言えるような走りはできないように思います。オートマチックとは 言いながらマニュアルミッションチックな側面がある、クセのあるトランスミッションです。


カタログの内装写真から(バン GL)

 思いっきり広いというわけではないですが、なんとも大らかな雰囲気が 漂う車内。運転していると、走行性能がどうのこうのなんて話はどうでも よくなってしまうものです。他のサイトなどを見ても、よく「船に乗っている ような乗り心地《という例えをされていることがありますが、まさに そんな感じです。ストリートからの乗り換えで、わたしも運転が 大らかになりました(あくまでグロリアに乗っている時だけですけど)。
 そして、ドアグリップが革紐という、アメリカンでありつつ「和《の 雰囲気も似合う造り。このデザインで平成 7 年くらいまで作られていたの ですからすごいです。最終型の平成 11 年( 1999 年)までこのデザインで 作ってもらいたかったものです。


 Y30 ワゴンの特徴の一つ、後ろ向きサードシート。ベンチコラムシートだったら 今のミニバンにも勝る 8 人乗り! まあ、使うことはほとんどないわけで、普段は 平らに折り畳んであるわけですが。ほんとうに、今の車にはないモノが詰め込んで あるわけです。子どもは珍しがって乗るでしょね(最初だけでしょうけど)。
 それにしても、写真向かって左側のサイドテールウインドウが故障しているのは 残念です。といいますか、前オーナーが部品を取ってしまっているようです。 いつしか、直したいなあ・・・。

 まあ、長々とわたしの思うところを綴ってきましたが、この車はやはりイイとしか 言いようがありません。エコの時代に逆行している? いえいえ、そうでもないですよ。 乗り出してから、今のところ特に何も手を加えていなくても燃費は 11km/L 以上 (通勤渋滞あり)は走っています。排気量 2,800cc のオートマチック車で 20 年以上 前の車と思ったら、これくらいの数値はなかなかの好成績ではないでしょうか?

 なにわともあれ、再び新しい Y30 との生活のはじまりです!

(ここまで読んで下さった方、ありがとうございました)

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