DA-401


  
DA-401

 1986年製造。定価は 59,800 円。わたし自身が所有している Lo-D の CD プレーヤーの中で、 一番最初に購入したのがこの DA-401 です。初めて Lo-D の CD プレーヤーを目にしたのが この機種で、わたしの購入価格帯としては当時高めの 19,800 円で入手、その後調子が悪くなりましたが、 メカ一式を交換してからは、現在まで快調に動いてくれています。とにかく、Lo-D の CD プレーヤーだ!と 思って何がなんでも欲しいと思って入手したものです。ネット時代の今では、このプレーヤー以外 にもたくさん Lo-D の CD プレーヤーがあることは簡単に分かりますが、1990年代中盤では、 リアルな情報がほとんど無く、ましてや実物を見る機会など皆無に等しかったので、 高いながらも購入に踏み切りました。

 洗練された寸法で、3.8kg と軽量ながら、持つとフシギにずっしりと重く感じます。 幅 430mm のフルサイズながら、この薄さがそのように感じさせるのだと思います。VC メカを搭載し始めた 初期の機種で、造りも真面目です。

 ところで、これまで DA-401 の中身を紹介してる web が無かったのでこの ページを作成していたのですが、作成している途中で、"B級オーディオファン"の 方に記事が追加されていることに気づきました。なので、技術的な詳しい話はそちらをご覧頂いた方が 参考になると思います。
B級オーディオファン Lo-D DA-401


DA-401

 この頃はレタリングの色を使い分けている時代です。技術的な所は金色で示しており、 普及機ながらもちょっとだけ高級感が出ていると思います。この機種も前期モデル、後期モデル みたいなものがあるらしく、"B 級オーディオファン"の写真と比べると、フラップパネル部の レタリングが違うことが分かります。

DA-401

 フラップパネルを前に倒すとトレイが見えます。トレイを直接全面に出さないことで、 防振性を高めることが考えられています。実際のところ、密閉されているわけではないので、 あまり効果はなさそうな気がしますが・・・。

DA-401

 8cm シングルには対応していませんが、トレイのせり出しの円形に沿って 写真のように CD を乗せれば、アダプター無しで再生できます。

DA-401

 表示部は必要最小限です。10 キーは押し易く配置されています。

DA-401

 基本操作ボタンを大きく、その他はスキップとサーチでボタンを分けて配置されています。 ヘッドホン出力はボリュームがないので、ボリューム付きを選ばないと爆音です。

DA-401

 天板を開けた状態です。とてもすっきりしている印象です。

DA-401

 天板をひっくり返すと、二重構造になっているのが分かります。これが"高剛性 VC エンクロージャー"で、 粘弾性材と 2 枚の鋼板のサンドイッチ構造とすることで振動減衰特性を上げると共に、ボディ全体の剛性を アップさせています。銅シートはわたしが後から貼ったものなので関係ありません。

 天板は強靭ですがシャーシは普通なので、シャーシ単体では強度がありません。 Lo-D はカセットデッキもそうですが、単体では貧弱でも組み合わせでガッチリ させる構造にするというのが基本的な考えだったのかもしれません。

DA-401

 電源トランスの容量は14.8VAです。DAD-005 の電源のように、2 次巻線側が細くないのは 見た目に良いです。

DA-401

 トランス直後電源部です。防振構造 AWD コンデンサーが使われています。耐圧 50V で容量 470μF というのは、 他のプレーヤーでは見られない選択です。

DA-401

 サーボ回路です。これまでのメカに比べて幅が細いフレキシブルケーブルが使われているので、 取り扱いには注意が必要です。

DA-401

 制御 IC は NEC 製です。

DA-401

 制御 IC の隣に独立基板がありますが、これはリモートコントロール用の基板です。

DA-401

 DA コンバーターは SONY の積分型である CX20017 です。Lo-D の他のプレーヤーにも 搭載されているコンバーターですが、販売時期的には旧式のコンバーターだったようです。

DA-401

 DA コンバーター後のアナログオーディオ回路部です。カタログに謳われているように、 AWD コンデンサやブチル銅箔スチロールコンデンサーが使われています。 アナログ回路は左右対称のセパレート回路構成です。

DA-401

 ピックアップとメカです。CD の台座がプラスチックになってしまいました。 ピックアップとモーター周りは2枚のシャーシで構成されています。

DA-401

 メカシャーシは4本の足で支えられていますが、ゴムとバネを組み合わせた フローティング構造となっており、下部からの振動が伝わらないように 考えられています。

DA-401

 トレイとモーターをつなぐベルトですが、φ18×1.2mmかφ20×1.6mm 辺りのベルトが使えます。 しかし、トレイを分解しないでベルトを交換するには、隙間からベルトを通すためにφ18×1.2mmの 細い方のベルトをお勧めします。わたしは、このベルトの正しい交換方法が分からないので、 インチキ方法で交換しています。

 DA-401 はメカの反応も素早く、非常に安定感のある動きをします。 音質はとげとげしさが無く、とても滑らかに感じます。逆にいうと、 B級オーディオファンの記事の通り、分解能が悪く帯域も狭いという ことになるのかもしれませんが、わたしとしてはそういったところは 気にならず、素直に綺麗な優しい音と感じます。柔らかい声の 女性ボーカルなどに雰囲気が合うのではないかなと思います。積分型 DAC が 程よくマッチしているのかなと思います。派手さを求めずのんびり聴きたいのであれば、 管理人お勧めの CD プレーヤーです。

 以下に DA-401 の仕様を記載します。

特性
項目 DA-401
周波数特性5~20,000Hz +0.5dB,-1.0dB
ダイナミックレンジ95dB(EIAJ)
SN比95dB(EIAJ)
高調波ひずみ率0.003%(1kHz,10次まで)
セパレーション92dB(1kHz)
ワウ・フラッター測定限界以下
ピックアップ方式対物レンズ駆動方式光ピックアップ
対物レンズ駆動方式2次元平行移動
光源半導体レーザー
波長780nm
出力電圧2.0V
電源電圧100V 50/60Hz
消費電力9W
外形寸法幅435×高さ85×奥行264mm
重量3.8kg


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