Lo-D DAD-5000

1985 年製造(電源ケーブルの表示より)。定価は 59,800 円です。先代の DAD-4000 から 2 万円安くなり、
CD も大分身近になってきました。各社からもミニコンポサイズの似たようなプレーヤーが
販売されていた頃です。価格を下げるために、DAD-4000 よりもメカ部が簡略化されたりしていますが、
一方でヘッドホン端子が装備されたりして使いやすくなっているところもあります。

DAD-4000 よりも平凡なデザインとなり、特に特徴といったものはないです。
この時点では、左上のメーカー表示はまだ Lo-D ですが、後継機の DAD-5500 では HITACHI に変わります。

表示部は DAD-4000 よりも簡素化され、DAD-450 と同じ表示部になり、曲数と時間を同時表示することはできません。
表示はボタンで切り替えます。ただ、表示部の色は DAD-450 よりも青味の掛かった高級感のある色です。

天板を開けた状態です。電源部以外の基板は 1 枚となり、DAD-3000 と比べたら大分集積化が進んだといえます。
DAD-450 のコンパクト版といった感じでしょうか。

電源トランスは 1 基。容量は 12.3VA です。まだ CD プレーヤーがオプション扱いだったためか、
後から追加してもコンセントが足りなくならないように、サービスコンセントがついています。
右下に見える平滑コンデンサは、容量 2,200μF です。
電源周りは DAD-5500 と同じといってよいです。

ピックアップからのフレキシブルケーブル接続コネクタの直近にサブ基板が 1 枚あります。
ピックアップ調整関係の半固定抵抗がここに固まっています。

制御部です。

DAD-3000, 4000 にはなかったヘッドホン端子が加わりました。ボリュームも付いているので、
普段はヘッドホンで聴くわたしにとっては重宝です。

DA コンバーターはソニーの CX20017 で、DAD-450, 451 と同じです。

アナログ回路部です。この辺も DAD-450 と同じような感じになっています。
接続端子が2つ並んでいるのは、カセットデッキと接続するシンクロ端子があるためです。

スピンドルモーターは、ユニトルクモーターから普通の DC モーターに変わりました。
値段を下げるにはそうするしかないですね。CD を載せるクランプの部分はプラスチックではなく
金属製です。
・・・と、今まで御覧頂くと、中身は価格が同じ DAD-450 とほぼ同じということが
お分かり頂けるかと思います。しかし、同じ価格でも DAD-450 の方がパーツは良いもの
が使われていますので、音質的には DAD-450 の方が上に感じます。実際、スペック的にも
DAD-450 の方が良い数値です。
特段、大きな特徴はなく、普段聴きには十分といった感じでしょうか。
個人的には、DA コンバーターがバーブラウンの PCM54HP に代わった、
後継機 DAD-5500 の方が買い得感はあるかなと思います。
DAD-5000 特性
項目 |
特性 |
周波数特性 |
5~20,000Hz ±0.5dB |
ダイナミックレンジ |
95dB |
消費電力 |
9W |
外形寸法 |
幅320×高さ86×奥行300mm |
重量 |
3.9kg |
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