D-X10
定価 99,800 円。1980年代前半に発表された 3 ヘッドリバースデッキです。
この頃は 3 ヘッドのリバースデッキが各社から続々と登場し始めた頃です。高音質で
長時間録音・・・、確かに魅力的です。比較的多機能で凝った造りでありながら、
それまでのデッキと比較しても割安の値段ですし、お買い得モデルといってよいの
ではないでしょうか?(この当時わたしは保育園児でしたので、当時の評価は
分かりません)。みてお分かりのように、このデザインが後の 909 & 707 系
に引き継がれることになります。
本機は、Lo-D の数少ない 3 ヘッドリバースの高級機であり、キャプスタン駆動はお得意の
ユニトルクダイレクトドライブモーター、ヘッドベース
にはバイブレーションカットメタルがおごられ、キャリブレーションは
ATRS に加え手動でも調整可能。キャリブレーション機能は D-9 や
D-909 と同じ仕様です。
デザイン的に変わっている所は、カセットホルダー下部のみ開閉
ができ、走行中もヘッドやピンチローラ等の状態が見られること。
これは D-2200MB や D-9 と同じ仕様です。
カセットドアを外してヘッドを見下ろした写真です。
中身はこんな感じです。
再生アンプはディスクリートで作ってあります。
メカもリバース用の新しいものです。フォワード側がダイレクトドライブ、リバース側が
フォワード側フライホイールとのベルト駆動と、一般的な造りです。写真にはベルトは
映っていません。伸びきっていたので切りました。
手に入れた頃は完動していたので使っていましたが、他の 1 ウェイ 3 ヘッドと比べると、
あまりパッとしない音だったというのが正直な感想です。リバースデッキだとどうしても
アジマスも気になります。なので主役として使いませんでしたが、やはり当時この機能で
この値段を考えると評価できる機種ではないでしょうか。軽度の故障だったら
手放さなかったと思います(置き場所には頭を悩ましますが・・・)。
この機種は、オーディオ全盛期のファンの方にはお馴染みといってもよいページ
「オーディオ回顧録《の中でより詳しく紹介されていますので、訪ねてみてください。
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