D-W220

1987 年製造(想定)。定価は 34,800 円。ダブルデッキの最下位モデルとして作られていた
ものです。とにかく安く作ったと思わんばかりの仕様になっています。
このデッキは、学生時代に友達がリサイクルショップで買ったものを、手放すというので
譲り受けたものです。ある意味ラジカセ感覚で使えるので、神経を使うことなく使える
のがいいところでもあります。

カセットデッキとしての最低限の機能は押さえられています。左右独立回転録音ボリューム、
マイク端子、ヘッドホン端子もあります。テープセレクターは、再生専用のデッキ 1 が
オート、デッキ 2 が D-1 や D-E21s の仕様と同じような 2 ボタン式となっています。ドルビーは
B のみです。そして、ダブルデッキを象徴するかのように倊速ダビングスイッチがあります。
テープカウンターはデッキ 2 のみになります。デジタルピークメーターは必要最小限。0dB
以上は赤色LEDです。

デッキ 2 は録音・再生デッキです。テープ 1 → 2 への連続再生可能です。

デッキ 1 は再生専用です。操作はピアノタッチキーです。もちろん、自動停止します。電源はトランス
の 2 次側で入り切りする様式です。

天板を開けた状態です。スカスカです。ダブルデッキはメタルシャーシなんですよね。

基板に取り付けられたトランスです。でも斜め付け & 側面を鋼板で囲っていて漏洩磁束対策が
されています。トランスすぐ横の半固定抵抗は、ダビングに関する調整用みたいです。スピード
ですかね?

右上に見えるオペアンプが多分再生用だと思われます。JRC 4558DX です。録音側も同じもの
が使われているようです。
メカニズム部です。
いやいや、これまでの Lo-D デッキが嘘のような造りです。キャプスタンベルトが角ベルトなのが
心細いです。しかも細いです。フライホイールも・・・。でもリールとキャプスタンで別ベルト駆動
になっていますね。もっとひどいとデッキ1、2でモータ共有みたいなメカになりますから、まだ
許せますね。

デッキ 1 のヘッド部です。もちろん 1 ヘッド。

デッキ 2 のヘッド部です。デッキ 1 と同じヘッドです。本当にラジカセのメカに見えます。
このデッキは曲によってはフラッターが気になる時があります。ベルトが伸び気味なのも
要因かもしれません。作りはそれなりですが、音はそんなに上満でもありません。回路が
本当に必要最小限しかないからかもしれません。メインデッキになることはないですが、
Lo-D デッキの一つとして使っていきたいと思っていましたが、度重なる上調によって
手放す形となりました。余談ですが、1997~8 年辺りでヘッドおよびモーターの新品交換
部品が入手できた唯一のデッキでした。

D-W220特性
項目 |
特性 |
ワウ・フラッター | 0.08%(WRMS) |
周波数特性 | 30~16,000Hz ±3dB(メタル) |
SN比(メタルテープ3%ひずみレベル聴感補正) | 66dB(DOLBY B NR ON) |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅435×高さ123×奥行232mm |
重量 | 3kg |
ローディのカセットデッキコレクションへ戻る