D-MD50


  
D-MD50

 1984年頃の製品。定価は 61,000 円。CDプレーヤーDAD-3000との組み合わせとなる システムコンポーネントのオートリバースデッキです。メカは基本的にD-X8シリーズと 同じです。このデッキの特徴は、昔のビクターと同じ、メカが右側にあること。 これはシステムコンポとしてのトータルデザインを考慮したものです(組み合わせるアンプと チューナーの表示部が左側にあり、3台を重ねると表示部の位置が統一されます。)。
 内容的には、メカは違いますがフルサイズデッキのD-RV7とほぼ同等の機能を備えており、メインデッキとして 使っても問題ないレベルだと思います。個人的には、ヘッドホン端子が無いのが難点ですが、 システムコンポ用と考えると仕方がないです。

D-MD50

 左側のレベルメーターはD-8と同じ仕様と思います。単品デッキには無い、 テープの種類に応じた最大レベルの目安表示があるのも特徴です。 ピークホールド機能はありません。
 その他に、リバースモード表示、ドルビーB,C、テープ走行方向の表示があります。

D-MD50

 テープセレクターは3ポジションで手動選択です。その他、シャッフルやプログラム再生、 録音時にプレーヤーとシンクロするための切り替え、ドルビー切り替えのスイッチがあります。 録音レベルは横スライド式で、バランス調整は回転式です。バランス調整つまみは イジェクトボタンの下にあります。小さいので回しずらいですが、普段使う頻度は少ないので 特に問題ないかと思います。

D-MD50

 操作ボタンはシンプルな構成です。一時停止時および録音時はLEDが点灯します。 動作は軽快です。

D-MD50

 天板を開けた状態です。機能の割にそんなに詰め込んだ感はありません。 筐体が小さいので、重量も3.8kgと軽量級で、持ち上げた感触も軽いです。

D-MD50

 電源回路周辺です。特に特徴はないです。

D-MD50

 操作系の制御ICです。

D-MD50

 バイアス回路周辺です。

D-MD50

 再生回路はオペアンプJRC4562DDを使用。

D-MD50

 ドルビー回路はこの頃のローディ定番の回路です。何気に製造時期によってICとコンデンサの向きが 違かったりします。ドルビーをONにした時の再生音は、当たり外れが大きい気がします。概して、 ドルビーOFFの音がオススメです。

D-MD50

 表示部の後ろ側。2列並んでいる下側のスイッチはL字レバー経由です。

D-MD50

 メカう後ろ側から見た状態です。D-X8と同じ感じですね。

D-MD50

 メカの前側です。リールのプラスチックはD-X8とは違い、割れにくいものになっています。 モーター軸のギアが見た目に割れやすい気がします。巻き戻しや早送りはオートストップが 働かないように操作した方がよいかもしれません。

D-MD50

 フライホイールは左右ともに同じ大きさで、重量級です。バランスも取られています。

D-MD50

 ヘッド周りです。スーパーライフヘッドはやはり摩耗しやすいと思ってしまいます。 音は滑らかで好きですが・・・。ピンチローラーの見た目が汚いですが、このタイプの ものはゴムが硬化しにくいタイプですので、交換する必要はあまりないと思います。

 システムコンポ用のデッキなので見た目の高級感はありませんが、 いかにも80年代を思わせる構成は、今見ると新鮮かもしれません。 ヘッドの状態が良い機種ならば、見た目によらず綺麗な音を聴かせて くれると思います。

 3ヘッドリバース機のD-X8Ⅱを持っているので、2ヘッドのリバース機は 無くてもいいのですが、CDプレーヤーのDAD-3000とのペアで動作品を 所有しているのも乙なものと思って所有しています。

  D-MD50

D-MD50 特性
項目 特性
録音再生ヘッドメタルS.L.(スーパーライフ)ヘッド×2
消去ヘッドダブルギャップフェライト
キャプスタンモーター電子制御DCモーター×1
リールモーターDCモーター×1
ワウ・フラッター0.04%(WRMS)±0.09(% Peak)
周波数特性20~18,000Hz(メタル)
20~17,000Hz(クロム)
20~16,000Hz(ノーマル)
SN比
(メタルテープ3%ひずみレベル聴感補正)
74dB(DOLBY NR C)
68dB(DOLBY NR B)
60dB(DOLBY NR OFF)
入力インピーダンス・感度LINE IN 50KΩ以上/88mV
出力インピーダンス(負荷)LINE OUT 50kΩ以上
電源電圧AC100V 50/60Hz
消費電力20W
外形寸法幅320×高さ115×奥行274mm
重量3.8kg


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