D-E70


  
D-E70

 1980 年製造(想定)。定価 59,800 円。私が生まれて初めて Lo-D のデッキを目にしたモデルです。同時に 初めて手にしたデッキでもあります(入手価格 2,000円)。学生の時、通いのリサイクルショップで埋まっていました。 2 ヘッドのごくごく標準モデル。D-E90 の弟分的存在。この下のモデルに、D-E70 の一部 メカ・機能を簡略した D-E50 があります。センダストメタルヘッド、2モーター、ロジックコントロール、 DRPS(自動選曲)などが主な特徴です。

D-E70

 オートリワインド・リピート、4 ポジションテープセレクタ、DOLBY B NR (MPX フィルター付) マイク入力(スイッチ切り替え式) は D-E90 と共通ですが、D-E70 にはシリーズ唯一の DRPS(自動選曲)が付いています。前後 9 曲までの 頭出しができます。メーターはアナログ VU に LED dB ピークの組合せ。VU 計の動きはD-E90と 全く対照的で俊敏ではありませんが、雰囲気は良いと思います。

D-E70

  D-E70

 内部構成図

 Lo-D のシャーシは他社と違ってほとんどが樹脂製です。何かしらのメリットを考えてのことだと 思います。天板を外してしまうともちろんゆがんでしまいます。メカと基板がトランスから 一番離れるように配置してあり、余裕があります。

D-E70

メカニズム部

 この型のメカになったのは、私が知る限りでは D-E70 が最初だと思います。ヘッド上下はキャプスタン の回転を動力としています。動作のきっかけは電磁スイッチで行います。この後の7シリーズは全てこの メカが使われているはず(間違っていたらごめんなさい)です。キャプスタン用モーターは常時回転、 リール用モーターは、テープ動作時のみの回転です。2 モーターでも、リール側のモーターは 普通の DC モーターにしてコストダウンするのが普通ですが、このデッキにはリール側にもキャプスタン 用と同じ電子制御 DC モーターが使われています。このメカは、メカ本体をシャーシから外さなくてもベルトの交換が出来るので、整備はし易いです。以下、カタログより。

「テープ走行メカニズムも高い基本性能を確保するためには欠かせないポイントです。 D-E70 では、キャプスタン駆動用と、早送り、巻き戻し、巻き取り用にそれぞれ電子制御 DC モーター を搭載した 2 モーターメカニズムを採用。テープ走行系を無理なく分担して、ワウフラ 0.038% を 実現《

D-E70

ヘッド部

   購入当初から写真のように外周が腐食しており、磨耗の段差も少し確認していたので部品があるうちに ヘッドを交換しようと思っていたのですが、そう思っているうちに部品が日立のほうになくなってしまい 結局そのままです。音に関しては、上級機の D-E90 に比べると低音がおとなしく腰高で、 音の繊細さも劣ります。高音質とは言い難いですが、そこそこに高音も伸び、普通に鑑賞するには充分で優しい音です。

   特徴的なものがあるデッキではないのですが、デザインとその雰囲気が何となく好きでもあり、 自分には初めての Lo-D のデッキなので、これからも手放さないと思っていましたが、 現在は手元にありません。 以下にカタログの内容を記載します。

D-E70

D-E70特性
項目 特性
録音再生ヘッドメタルセンダストヘッド
消去ヘッドダブルギャップフェライト
モーター電子制御DCモーター×2
ワウ・フラッター0.038%(WRMS)
周波数特性20~19,000Hz(メタル)
20~18,000Hz(クロム)
20~17,000Hz(ノーマル)
SN比(メタルテープ3%ひずみレベル聴感補正)68dB(DOLBY NR ON)
60dB(NR OFF)
入力インピーダンス・感度LINE IN 50KΩ以上/60mV、MIC(適合)300Ω~5kΩ/0.3mV
出力インピーダンス(負荷)LINE OUT 50kΩ以上、ヘッドフォン8~2kΩ
電源電圧AC100V(50/60Hz)切替上要
消費電力21W
外形寸法幅435×高さ110×奥行266mm
重量4.7kg
付属品USピンコード×2、ヘッドクリーニング棒×1

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