D-707Ⅱ


  
D-707Ⅱ

 1986 年製造(想定)。定価は 84,800 円です。先代 D-707 の 2 代目として発表。D-707 をベースに、

・ヘッド巻線に LC-OFC 材を使用
・ヘッド固定ベースに VC メタルを採用

で仕様強化されています。

 このデッキは、ネットオークションにて入手しました。持ち合わせの Lo-D デッキの中でも、 高額な部類に入る落札価格でした。しかし、前オーナーの方がかなり大事に保管されていたもので、 外箱・説明書付き、程度も文句なしの極上品です。
 入手時は、ヘッドブロックが途中までしか上昇しないという上具合のため ジャンク品での入手となりました。 ベルトの伸びだろうと思い新品と交換しましたが、直りませんでした。そこで、 メカを取り外し、手でヘッドブロックを動かしていたら、ちょっと鈊い音と共に 正常位置まで上昇。しばらく動かしていなかったという前オーナーのコメントから、 どうやら固着部分があったようです。その後は問題無く動いています。

D-707Ⅱ

 右側のデザインは、D-707 と全く同じです。これだけでは区別できません。

D-707Ⅱ

 カセットホルダーが D-707 とは異なります。上部に LC-OFC の記入と、3head のロゴ部分に 上記の追加仕様が記入されています。また、この時から「Lo-D《ロゴよりも「HITACHI《ロゴ が大きくなっています。


D-707Ⅱ

 ステレオ誌の特選を受賞しています。紊得ものです。HINT マークが懐かしいです。

 天板を開けた状態の写真は撮り忘れました。構成は D-707 と全く一緒です。

D-707Ⅱ

 メカももちろん D-707 と一緒です。

D-707Ⅱ

 電源周りも同様です。

D-707

 これが再生アンプ部ですが、密かに D-707 と異なる所です。オペアンプが違います。 D-707 の 4562DD から 2068DF に変更されています。

D-707

 ヘッドに貼ってあるシールは D-707 と異なります。「LC-OFC《 が誇らしげです。

 このデッキを最後に入手することで、707 シリーズ 3 兄弟が全て揃いました。 D-707 との音の違いは、よくわかりません(笑)。音の傾向はもちろん同じです。 結果としては、再生出力ボリュームをバイパスさせてしまった D-707HX には かなわないのですが。
 また、このデッキも D-707HX がと同様、メタルテープの録音では低音が歪んでしまいます。 今のところ 707 シリーズ以前のモデルの 3 ヘッドデッキにこの症状は出ていません。 何か固有の問題があるものと思います。また、テープセレクターの接触が悪く、 録音した音はテープによって高域が伸びない状態です。このテープセレクターは 707 シリーズ共通のウィークポイントです。

 以下にカタログの内容を記載します。私も最初気付かなかったのですが、カタログの 写真とわたしの持っている D-707Ⅱ のデザインが違います。「HITACHI《ロゴの部分が 「Lo-D《のままですし、カセットホルダーのデザインが D-707 のままで、「Ⅱ《の文字が 追加されているだけの感じです。カタログは初期デザインだったりするのでしょうか?



D-707Ⅱ

D-707Ⅱ特性
項目 特性
録音再生ヘッド新形状 LC-OFC コイルチタン溶射 R&P コンビネーションヘッド
消去ヘッドマルチギャップセンダスト張り消去ヘッド
モーター電子制御 DC モーター×2
ワウ・フラッター0.032%(WRMS)
周波数特性25~20,000Hz ±3dB(メタル)
25~19,000Hz ±3dB(クロム)
25~18,000Hz ±3dB(ノーマル)
SN 比(メタルテープ 3% ひずみレベル聴感補正)75dB(DOLBY C NR ON)
69dB(DOLBY B NR ON)
61dB(DOLBY NR OFF)
ひずみ率( 1kHz、メタルテープ)0.8%
チャンネルセパレーション30dB(1kHz)
入力端子ライン80mV
(入力インピーダンス:50kΩ以上)
出力端子ライン0.5V
適合負荷インピーダンス:50kΩ以上
ヘッドホン:80mV/8Ω
適合負荷インピーダンス:8Ω~2kΩ
消費電力24W
外形寸法 幅435mm×高さ 115mm×奥行 279mm
重量5.5kg

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