D-7

別途紹介している D-1 と同時期のデッキです。定価は 59,800 円。上級モデルは D-8 になります。
D-8 はデュアルキャプスタン
でバイアス調整が付いていますが、D-7 はシングルキャプスタンになりバイアス調整
も省略されています。3 ヘッドの普及機です。ちなみに D-7X というモデルもありますが、
D-7 と何が違うか分かりません。本体色は違うみたいですが・・・。
もちろん中古で購入ですが、程度はかなりいい状態のものでした。

録音ボリュームは左右独立のスライド式、ソースとテープの切替はメーターディスプレイ内
に表示されます。テープセレクタ―はフェリクロムが省略されて 3 ポジション、
ドルビー NR は B と C で、C タイプはこの頃になると中級機でも標準になってきました。
これもディスプレイ内に表示されます。MPX フィルターも省略されず付いています。テープカウンターはアナログカウンターの
デジタル版みたいな感じで、カウントスピードも同じくらいで表示されます。
マイク端子は使ったことないですが、ライン切り替えスイッチがないので多分
マイク端子にマイクをつなぐと自動的にマイク入力になるものと思います。

カセット周りのみ濃い灰色の特異なデザイン。加えてこのシリーズは操作ボタンがとにかく
大きいのが特徴です。必要最低限の装備。でもって、さりげなく 3 ヘッドの表示。

電源周りです。コンデンサとかはやっぱり小さめです。

再生回路は他のデッキに比べると部品数も少なくとても簡素です。

ドルビー回路は D-77 のものから変わって D-707 系と同じ IC を使ったものになっています。

ディスプレイ駆動回路は別基板になっています。

D-7 を入手する前は多分 D-77 と同じ 2 モーターメカなんだろうなあと思っていたのですが、
開けてみたら 1 モーターでした。このメカは 1 モーター式でも 2 モーター式でも
対応できるメカなんですね。1 モーター式のメカが載っているのは、わたしが知っている限りでは
D-E70 の弟分の D-E50 とダブルデッキの D-W700 です。3 ヘッドデッキにしては
ちょっと安っぽい作りになってしまっています。

ヘッドも他の 3 ヘッドデッキとは異なり、ヘッドベースがプラスチックで、
固定も 3 点支持ではなく 2 点支持です。やっぱり安くしなければならない分、
いろいろと簡略化されています。消去ヘッドは D-80s と同じ可変リフト式で、
上側のパッドでテープを挟む構造になっています。デュアルキャプスタンで
ないかわりに、これでバックテンションをかけているようです。
さて音なんですが、うーん、何の特徴もありません。帯域が特に広いわけでもなく、
音にアクセントがあるわけでもなく、平凡な感じです。回路が簡素で
音も簡素といったらいいでしょうか・・・。それでもってこのデッキもまた、
別途紹介の D-E90 と同じように録音した音の高域が伸びない上具合がありました。VHS の
モノラルトラックのような音でした。程度が良いのに残念です。
ちょっと辛口コメントになりましたが、3 ヘッド入門に丁度いい
感じのデッキだと思います。現在は手元にありません。
D-7 についても詳細カタログを持っていませんので、仕様は省略させて頂きます。
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