D-3500
1975 年製造。据え置きオープンリールデッキのようなゴツゴツしたスタイルの D-4500 から 一気にスマートになった 3 ヘッドデッキの 2 代目。もちろん、D-4500 から比べれば メカニズムや機能が簡略化されているという事実はありますが、当時 99,800円でこの 性能を有していれば文句はなかったのではと思います。10 万円を切る値段で 3 ヘッドが 味わえるというのが注目するところと思います。ローディはこの後も低価格の 3 ヘッド機 D-500 を送り出していましたから、とにかく 3 ヘッドの良さをを多くの人に 体験して欲しいという思いがあったのではないかと思います。 D-4500 の後発ながら、 製造期間は D-4500 よりも短かったみたいですが・・・。
なお、このデッキを、故・長岡鉄男氏は D-4500 よりも完成度を上げたデッキとして、 "長岡鉄男の日本オーディオ史 その 2" の中で紹介しています。
カセットホルダーの上部には、型番とドルビーシステムの表示。録音と再生時は写真のように 電光表示されます。その隣にテープカウンターがあり、このモデルも"000"で早送りや 巻き戻しが自動停止する機構が搭載されています。
デッキの操作は、モーターアシストのない純手動式。このデッキ独特の操作感です。
卓上ミキサーのようなデザインで配置されているのは、出力レベル、ライン入力レベルおよびマイク入力 レベル調整用のボリュームです。水平状態スライドボリュームはやはり操作し易いです。 出力レベルが他のデッキと比べて小さいです。
メーターと各操作スイッチが整然と並んでいて好印象です。ボタンも大きく押しやすく、 押した時の感触もいいです。それぞれのスイッチに動作表示用の電球が付いているので、 動作状況の確認も確実にできます。
メーターは切り替えスイッチで UV 計にも dB 計にもなります。また、ライン入力とマイク入力の ミックスもできます。ちょっと意外なのは、これ以降の後継機の 3 ヘッドデッキには最期まで搭載 されなかったオートテープセレクター機構が付いていることです。しっかりノーマルテープとハイポジ をカセットハーフの検出孔を使って選択してくれます。更に面白いのは、 オートテープセレクター機構があるにもかかわらず、手動のテープ切り替えスイッチも 搭載されていることです。なので、ノーマルテープをハイポジ設定で使うことも できるようになっています。
側面にはマイク入力とヘッドホン出力端子に並んで、MPX フィルタースイッチと D.C.C.S つまみ があります。このつまみが左一杯に回った状態だと録音ができないとの注意書きがあります。 まあ、そういう仕様なんですね。
R & P ヘッドに焦点が合っていませんけど・・・、ヘッド周りです。一番奥に見える灰色のものが、 デュアルキャプスタンでない代わりに、テープに一定のバックテンションをかける役目をしています。 ピンチローラーは硬化していませんでした。古いものでも、硬化しているものとそうでないものと があるのは、ピンチローラーの個体差なのか、保存環境なのか・・・? 多分後者の方が主要因 なんだろうとは思いますが・・・。
さて、このデッキはモーターにヒステリシスシンクロナスモーターを使用していますので、 モーターの回転数は電源周波数で管理されることになります。そのため、長きに渡って わたくしの住んでいる地域の 50Hz 仕様を探していました。で、やっと見つけて入手し、 いざ再生させてみると回転数が遅い・・・。でもデッキ本体には 50Hz と確かに書いてある・・・。 もしや・・・と思いながらモータープーリーを確認してみたら、60Hz 用ではないですか! 前オーナーが交換していたようです。で、困ってお世話になったのが、リンク先でも ご紹介していますアナログてくてくさんです。わたしとは逆で 60Hz の地域で 50Hz の プーリーが付いているデッキのため困られていたところに、わたくしから交換の提案を させて頂き、正規のテープスピードで再生できるようになりました。 しかし、そんな喜びもつかの間、残念ながら動作確認中に録音ヘッドの右チャンネルに 断線が生じてしまい、再生専用デッキになってしまいました・・・。
1975 年のデッキながら、再生音はバブル期のデッキにも負けない実力を持っています。 機械式操作でシングルキャプスタンですので、簡便ゆえの安心感もあり、 事実上の後継機である D-800 よりも全体的にみても良いデッキに思います。 現代でメインデッキとして使っても全然 OK といっていいでしょう。 ただ、どちらかというと大人しい音で、他の Lo-D のデッキの音と比べると物足りなさ を感じる部分があるのも事実でして、それゆえ現在は手元にありません。 個体差がもしかしたらあるかもしれませんが・・・。
より詳細な中身は、アナログてくてくさんのページの方で既に紹介されていますので、 そちらも是非参考下さい。
D-3500特性
項目
特性
録音再生ヘッド
R&P コンビネーションヘッド(フェライト)
消去ヘッド
ダブルギャップフェライト
モーター
4 極ヒステリシスシンクロナスモーター
ワウ・フラッター
0.050%(WRMS)
周波数特性
20~20,000Hz(クロム)
20~15,000Hz(ノーマル)
SN比
63dB(DOLBY NR ON)
55dB(NR OFF)
ひずみ率 (1kHz,0dB)
2.0%
重量
7kg
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