D-70s & D-77s


  
D-70s and D-77s

 s シリーズの 2 ヘッド上級機として登場したのが、1979 年発売の D-70s(写真下側)。 その後継機が 1980 年発売の D-77s(写真上側)。どちらも 59,800 円です。 当時、メタルテープ対応シリーズとして10万円以下のデッキで展開された s シリーズ。 個人的には、s シリーズのデッキはとても良くできていると思います。 3 ヘッド機の人気に隠れてしまいがちですが、70s,77s,その後継の78sは、 Lo-D の 2 ヘッドデッキの中でも完成度が高く、一番お勧めできます。 ここでは初代 D-70s と 2代目 D-77s を比較しながら紹介したいと思います。 結論から言うと、D-77sは D-70s に比べコスト削減の跡が結構見られるのですが、 音質差はほとんど感じないです。

D-70s and D-77s

 カセットホルダーと操作ボタンのデザインが変わっています。 D-77s (写真上側)は、カセットホルダーと操作ボタンが上級機のD-90s,80s と同じデザインになっており、 D-80s と比較すると、ぱっと見て見分けがつかないです。操作系も D-80s と同じになり、 テープ走行中の LED 点滅や、オートレックミュート機能が備わりました。レタリングも同じで、 D-70s の「IC LOGIC CONTROL《から D-77s は「COMPUTER IC LOGIC《になっています。
 テープカウンター周辺は大きく変わっていませんが、D-77s ではメモリーREW機能も 追加となっています。あとは D-70s では電源スイッチ下にあったヘッドホン端子が、 D-77s では無くなっていることが大きな違いです。

D-70s and D-77s

 メーターそのものはどちらも同じですが、D-77s ではメーター周りにフチが追加されて アクセントがつきました。テープセレクター、DOLBY NRスイッチおよび録音ボリュームも変わっていませんが、マイク/ライン切り替え スイッチと端子が変わっています。そして、D-70s では左側にあったヘッドホン端子が、 D-77s は右側に移動しています。逆に「DOLBY SYSTEM《ロゴは D-70s の左側から D-77s は右側に移動しています。

D-70s and D-77s

 写真の向きが90度回転してしまっていますが、側面からの写真です。D-70s(上側) が両側 6 点ネジ留めであるのに対し、 D-77s(下側)は両側 4 4点ネジ留めに変更され、シャシーも設計変更で D-77s の方が若干奥行きが短くなっています。 見た目には D-70s の方がしっかりと造られているように見えます。

D-70s

D-77s

 ここでは、上が D-70s, 下が D-77s の写真です。天板を開けると、メカは基本的に同じですが、回路はだいぶ変わっていることが分かります。

D-70s D-70s and D-77s

 以下、左側の写真が D-70s、右側が D-77sの写真です。電源トランスを見ても D-77s にコストダウンの 傾向が見られますが、トランスの容量は D-70s の 19.5VA に対して D-77s は 19.7VA と若干大きくなっています。 でも漏れ磁束対策は D-70s の方が上ですし、3 ヘッドの上級機と同仕様のトランスを使っているという点では、 やはり D-70s の方が良く見えてしまいます。

D-70s D-70s and D-77s

 電源回路部です。D-70s は電源系と制御系が主基板から独立しています。 制御用 IC は D-70s の自社製に対して D-77s は NEC 製となっています。 オートレックミュート等、操作の基本機能が D-80s と同じとなったため、 入れ替えられているということですね。

D-70s D-70s and D-77s

 録音/再生回路部です。D-70s は 3 ヘッド機の D-80s と同じIC HA12005 が使われており、共用傾向が見られますが、 D-77s は BA328 という IC で構成されています。

D-70s D-70s and D-77s

 続いて DOLBY 回路ですが、同じ IC ながら D-77s は D-90s, D-80s と同じモジュール基板となっており、 合理化されています。

D-70s D-70s and D-77s

 バイアス回路部です。こうやって見ると、D-70s は 2 ヘッド専用設計されている部分が 多々あるなと思います。

D-70s D-70s and D-77s

 メカ部です。一見してリール駆動用モーターが変わっているのが分かります。

D-77s

 その他にも、上の写真は D-77s ですが、D-70s のエアダンプ方式カセットホルダーから、 D-77s はダンパー式のカセットホルダーになっており、テープ取り出し時の カセットホップアップ機構も省略されています。こうして見ると、やはり D-70s の方がコストパフォーマンスは良いなと感じます。

D-77s

 相変わらずベルトが溶けて朽ちている機種が多いのが面倒なところです。 このフライホイールの大きさを見ていると、とても堅牢に造られているのが よく分かります。

D-77s

 上の写真は D-77s のヘッド周りです。D-70s は既に手元になく、写真を撮り忘れました。 録/再ヘッドはセンダスト材で 2 台共通です。

 音質は 2 台共傾向は同じで、2 ヘッド機ながら 3 ヘッド機相応の音を聴かせてくれます。なかなか艶のある綺麗な音です。 2 ヘッドの上級機としては、Lo-D では D-580 がありますが、音質は多分遜色ないように 思います。D-580 のようなバイアス調整はできないですが、スリムデザインのこちらの方が 当時の人気もあったかもしれません。管理人お勧めの 2 ヘッドデッキです。

 以下に D-70s と D-77s の仕様を記載します。

D-70s D-70s and D-77s



特性
項目 D-70s D-77s
録音再生ヘッドセンダスト・メタルヘッド同左
消去ヘッドダブルギャップフェライト同左
消去方式交流消去同左
キャプスタンモーター電子制御DCサーボモーター電子制御DCモーター
リールモーターDCモーター同左
ワウ・フラッター0.04%(WRMS)同左
周波数特性20~19,000Hz(メタル)
20~18,000Hz(フェリクロム)
20~17,000Hz(FeCr、ノーマル)
20~19,000Hz(メタル)
20~18,000Hz(フェリクロム)
20~17,000Hz(FeCr、ノーマル)
SN比
(メタルテープ3%ひずみレベル聴感補正)
66dB(DOLBY NR ON)
58dB(NR OFF)
67dB(DOLBY NR ON)
59dB(NR OFF)
入力インピーダンス・感度LINE IN 100KΩ以上/60mV、MIC(適合)
300Ω~5kΩ/0.38mV
LINE IN 50KΩ以上/60mV、MIC(適合)
300Ω~5kΩ/0.38mV
出力インピーダンス(負荷)LINE OUT 50kΩ以上、ヘッドフォン8~2kΩ同左
電源電圧AC100V 50/60Hz(切替上要)同左
消費電力24W17W
外形寸法幅435×高さ110×奥行267mm幅435×高さ110×奥行256mm
重量6.2kg5.4kg
付属品USピンコード×2、
ヘッドクリーニング棒
同左


ローディのカセットデッキコレクションへ戻る