Kaleidoscope−

 

アカデミーの教員室でまことしやかに囁かれていた『うみの家における家庭内暴力疑惑』
は、そうとは知らずカカシ本人に相談してしまったイルカの同僚と、イルカ本人の弁によ
って一応の収束をみた。
イルカは教員室の自分の机に向かい、窓ガラス越しのぽかぽかとした気持ちいい陽射しを
背中に受けながら、事務の女の子がいれてくれたお茶をすすっていた。
(…やっと平和になった……)
しばらく通ううちにチドリは保育所に慣れてきたようだし、夜泣きの回数も少なくなって
イルカは家で睡眠も充分とれ、カカシも初めて体験している下忍の指導という任務に馴染
みつつあるようである。
イルカはお茶をすすりながら自分の中で今回の件についての『総括』を試みる。
他人にどう言われようと思われようと、自分はカカシとうまくやっているつもりだ。
言葉のあやではなく、本気で命懸けで娶った妻だ。
彼女と一緒に生きていく為には、相応の努力をしなければならない事はよくわかっている
つもりでいた。だからこそ、彼女の仕事には理解を示し、子育てに協力し、自分自身を鍛
えているのだ。
だが、今回の件で一番大切な事はカカシとの信頼関係なのだと痛感した。
何でも胸の内を話し合える関係と環境を維持する事。プラス、彼女を不安にさせない為に
も『ラブラブな状態』を維持する事が大事だ。
(…それには、俺が頑張らなきゃな! カカシさんが俺のどこを気に入ってくれてるんだ
かイマイチよくわからん所が難だが、んなコト気にしても仕方ねえし! カカシさんとチ
ドリを愛して護っていくっていう意気込みを忘れんようにする。…いや、リキみ過ぎると
息切れするしロクな事にはならんからリラックスも忘れずに……こぐま園の園長さんは何
て言った? ……ああ、そうだ。まずお父さんがドンと構えてしまいなさい、だ)
イルカはコトン、と湯呑みを置いた。
両手を天井に突き上げて伸びをする。
取りあえず授業だ。次のクラスは手裏剣の訓練だから、専用演習場に行かなければ、とイ
ルカは椅子から腰を浮かせた。
と、気忙しげに同僚が教員室に入ってくる。
忘れ物でもしたのかとその様子を何気なく見ていると、彼は真っ直ぐイルカの方に向かっ
てやって来た。
「……俺に何か用事か?」
イルカに向かってせかせかと近づいてくる彼の顔はにこやかとは言い難い。
どこか困っているような、憤っているような、微妙な表情でイルカに迫ると、低く唸った。
「………イルカ。お前、忍師を辞めるつもりか」
「は?」
部屋の中にまだ残っていた数人の忍師仲間が一斉にこちらを見る。
「怪我するまで夜中に鍛錬を積んでいたっていうのは、その準備だったんだな」
イルカは面食らった。
「……何の話……」
「とぼけんでいいっ!」
イルカに詰め寄らんばかりに迫っていた男は、悲壮ささえ感じられる声でイルカの言葉を
遮った。
何事だ? と教員室の中にいた同僚達は自分の席を立ってイルカ達の所に近寄ってきた。
「おい、何だ? イルカが忍師をやめるって?」
イルカは慌てて否定の仕草をした。
「…いや、俺はそんな事……」
「俺は聞いたんだ!」
何を? とその場の全員が彼に注目する。
「………火影様が、イルカをご自分の護衛役に任命するお心積もりがあるって話をだ! 
イルカ、お前の親は昔、お屋敷付きの護衛だったそうだな。その跡を継ぐっていう事だろ
う。……火影様は、お前を傍に置く事に異存は無いと仰ってたぞ。だからこそ、お前の女
房がお産する時にわざわざご自分の屋敷で面倒を見たんじゃないのか」
室内の空気がざわ、と揺れた。
「……ほ、本当か? イルカ」
イルカは首を振る。
「…今の、半分は本当だが。ウチの子の出産でお世話になったのは事実だし、両親が屋敷
付きの護衛だったのも本当だ。……だが、俺自身は何も聞いてはいない。打診も無い。…
『もしも』のヨタ話だよ。…たぶん」
イルカに疑問をぶつけた男は、それでも納得した顔にはならなかった。
「………まだ、辞令が出ていないだけかも……」
イルカは机の上から生徒の名簿を取り上げ、歩き出した。
「とにかく、俺は何も知らん。……もう次の授業が始まるぞ」
自分も授業がある者は、イルカに倣って名簿と教科書を抱え、慌てて出て行く。
後に教員室に残った者達は、「何だ」と気の抜けた笑い声を洩らしていた。
先程イルカに迫っていた男の肩を同僚が叩く。
「お前、何かの話の一部を聞いちまっただけなんじゃねえか? イルカが火影様付きの護
衛だなんて…」
「そうだよ、あれって暗部扱いだろうが。……いくらイルカが三代目のお気に入りだから
ってな……」
「いや、お気に入りと言うか、便利使いにちょうどいい位置にいるだけだろ……どっちか
って言うと、こき使われているだけだよな。俺は時々アイツが気の毒になるぞ」
同僚達はざわざわと勝手な事を言い出す。
「いやあ、イルカにアカデミー辞められると困るモンなあ…一瞬あせったぜ」
「残業替わってくれるヤツがいなくなるからか?」
からかわれた男は赤くなる。
「いやその……そういう意味じゃなくてな……子供らだって、イルカ先生がいなくなった
ら寂しいだろうしよ……アイツ、保護者にウケがいいから家庭とアカデミーのいいパイプ
役になってるしな〜…」
「年間カリキュラムの中で、結構肝心なトコって、大抵アイツが噛んでるしなあ」
ううむ、と複数の唸り声が室内に洩れた。
『いなくなってしまうもの』として仮定してみると、まだ忍師としても年若いイルカが意
外にもアカデミー内で必要不可欠な重鎮である事に今更ながら気づいたのだ。
最初にイルカに向かって問いただした男が、「そら見ろ」と同僚を見回す。
「俺が心配するのもわかるだろうが」
その場の一同は深く頷いた。彼がいなくなると大いに困る。
「…イルカ……俺より先に嫁さんをもらったとかその嫁さんが美人だとかそういう事でや
っかんだりイジメたりは決してしないから……」
「これからは残業も体よく押し付けたりはせんから……」
ああ、だから。
「……アカデミーを辞めたりせんでくれ……」
教員室にいた忍師達は、思わず火影屋敷に向かって祈ってしまった。

―――火影様、俺達からアイツを取らんで下さい……





「アスマさん」
任務受付所でタイミング良くアスマを捕まえられたイルカは、彼をこっそりと廊下に引っ
張り出した。
「……どうした? 女房殿とは話したんだろ?」
アスマはカカシ本人から例の件については解決した、と聞いている。またややこしい事に
なっているわけではあるまいな、と目顔で問うた。
イルカは小声でアスマに囁いた。
「………アスマさん。…念の為お聞きしますが。その、この間仰っていた、火影様のお屋
敷付き護衛って件ですが……まさか、アスマさん…三代目にその事を打診してみたり…と
かはなさってませんよね?」
「……お前の意思も聞かずにか?」
心外そうなアスマの声に、イルカは目許を赤らめる。
「あ…いや…そうですよね。すみません。……さっき、いきなり同僚にアカデミーを辞め
る気かと詰め寄られまして……妙な風にその…護衛の件が洩れているようなんです」
「………妙だな……いきなりそんな話が洩れるはずが……」
アスマは眉を顰めたが、ハッと顔を上げた。
「しまった…もしかしたら、アイツだ」
「アイツ?」
「……紅だ。……護衛の件、実の所はアイツと話していた時に出た案なんだ。…アイツ、
カカシの姉貴代わりのつもりでいるからなあ……カカシとチドリにとってそれがベストだ
と思い込んだら、勝手に話を動かす可能性もあったんだ……しまった。しっかりクギ刺し
ておくの忘れたぜ……」
イルカは唸った。
紅は今までずっとカカシとイルカの味方だった。だがそれは結果的にそうなっただけで、
彼女はカカシを護っていたに過ぎない。
カカシの為になると判断したのなら、イルカの意向などお構いなしに三代目に提案したと
してもおかしくはないのだ。
「……俺は…俺も、彼女の為になるならと…その話はしたんです。でも、カカシさんに反
対されて…」
「ああ、それは俺も聞いた。余計な事をイルカ先生に吹き込むんじゃねえとケツを蹴られ
ちまったよ。アレ曰く、イルカ先生はイルカ先生だからいいんだとよ。……仕方ねえ、三
代目と直接話した方が早いな」
「……そのようですね……」
アスマとイルカは、この際カカシと紅も呼んで一緒に話した方が後々の為だということで
意見を一致させた。





 
 
 
 
三代目は長煙管を吸いつけるとアスマ、紅、カカシ、イルカの順に視線を移し、ぷか、と
煙を吐き出す。
「……何じゃ。がん首揃えて、何の騒ぎかな」
アスマはちら、と美貌のくノ一を見ると口を開いた。
「…………どうも先走った噂が流れちまっているようなんで、三代目。……イルカは今日、
忍師仲間にアカデミーを辞める気かと言われたそうなんですわ」
ほ、と三代目は愉快そうに口の端を上げる。
「ほお? 辞めてどうするのかの? イルカは」
イルカは言いにくそうに答える。
「……火影様の…お屋敷付きに。火影様付きの護衛忍になるつもりだろうと言われました。
…父のように」
ふむ、と火影はにこやかに頷いた。
「…父親のように、か。…ま、悪くは無い」
カカシが一歩前に出る。
「本気で仰っておられますか」
「…気に入らぬと顔に書いてあるのお…カカシ、お前は本当にイルカの事となると自制が
利かんようじゃ。…まったく、困った子じゃの」
カカシは目許を赤く染めた。
「……私の事より! お答え下さい、三代目。本気でイルカ先生、暗部にするおつもりで
すか」
火影はゆっくりと煙管を唇に運ぶ。
「さて。……わしは最初、それがお前の為に一番いい事なのだと進言されたのだが。…言
われてみれば、それもそうだと思いもした」
紅は静かに口を挟んだ。
「彼に護衛が務まらないと思ったら私だって進言なんかしません。…でも、充分務まると
火影様もお認めになったじゃありませんか。…ならば、カカシの為にはその方がいいはず
です。今の家で暮らすよりは危険が減ります。カカシの為、つまり里の為ですわ」
「…紅……」
カカシは困ったような眼で彼女を見た。
「……減るかもしれないけど…百パーセント安全ってワケでもないだろ? オレは、オレ
の為にイルカ先生がらしくない生き方をするのはイヤだもの……」
紅はツンと顎をそらす。
「お決めになるのは火影様よ。勅命に逆らうほどアンタ達もバカじゃないでしょう。…私
も、火影様がその必要は無し、とご判断なさったのならこれ以上何も言わないわ。…私が
余計なお世話をしたのは、カカシを護る手段の一つとしてこういう案もあるのだと…申し
上げておきたかったから。それだけよ」
つまりジジイに入れ知恵しておきたかったんだな、とカカシは心の中で唸った。
紅が自分を心配してくれるのは嬉しいし、ありがたい。だがこの件だけは、カカシも素直
にありがとうとは言えないのだ。
決めるのは火影様、という紅の言葉に、四人は三代目を見る。
その視線に、火影はヤレヤレ、と笠のフチを心持ち下げた。
「……さて、それじゃあ聞いておこうか。本人の意見をな。……イルカ。お前はどうする
のが一番と思っている? どうしたい」
イルカは身体の両脇でグッと拳を握った。
「………志願…すれば、聞き届けて下さると…?」
「イルカ先生!」
思わず声を上げたカカシの手を、イルカはそっと上から押さえる。
「……考えてやっても良いな。…お前が、本気でそう思い、願うのならば」
火影の言葉に、イルカは頭を下げる。
「ありがとうございます。……では、お言葉に甘えて希望を申し上げます。私は、出来ま
すならこのまま忍師でいたいと思っております。…はじめは、護衛忍となる事でカカシさ
んが護れるならばと思いました。…ですが、それでカカシさんが私に悪いと…負い目を感
じるならば本末転倒なのです。……もちろん、火影様のご意志であれば、どんな辞令にも
従いますが」
フムフム、と火影は頷いた。
「……なるほど。では、カカシはイルカにアカデミーでの仕事を続けて欲しいと思ってお
るわけだ」
「はい。イルカ先生、いい先生ですから。…里の為って言うなら、この人に子供達を育て
させるのが一番だと私は思っています」
ふぉほほ、と老人は声を上げて笑った。
「紅」
「はい」
「………今回は、諦めるとするかの。…実際、今のアカデミーはのぉ…コイツに抜けられ
ると収拾がつかんのだ。現実問題としてな」
紅は綺麗な眉を顰めた。
「……では、火影様ははじめから……」
いいや? と火影は微笑む。
「イルカ自身がどうしてもそうしたいと希望するなら、考えると言ったではないか。……
まあ、いずれの…否が応でもそうせざるを得ない事態になるかもしれぬ……紅、お前の気
持ち、カカシもわかってはいるのだ。…すまんが、今のところはこのまま協力しておくれ」
紅はフ、と息をつくと「はい」と頷いた。
「…仰せとあらば」



「…紅……」
数歩前を歩く紅に、カカシはおずおずと声をかけた。
紅は振り返らずに「なあに?」と答える。
「……あたしは、間違った事は言わなかったつもりよ。悪いけど、アンタにもイルカ先生
にも謝らないわよ」
紅はいきなり後ろからガバ、とカカシに抱きつかれた。
「…紅ちゃん…ありがと……ごめんね…」
紅は一瞬虚をつかれた顔をしたが、すぐにふわ、と微笑を浮かべる。カカシの手を軽くポ
ンポン、と叩いてその上から手を重ねた。
「………お節介だってのはわかってるのよ……でも、あたしはアンタがこれ以上辛い目に
あうのがイヤなの。…あたしがイヤなのよ。……アンタ、今まで里の為に随分働いてきた
わ。それこそ自分を殺してね。だから、少しくらいの我がまま、聞いてもらう権利はある
と思っている。……アンタの負担を少しでも軽くしてあげたかったんだけど…」
紅はチラ、とイルカを横目で見た。
「……でも、忘れてたわ。アンタは自分よりこの亭主が大事だったのよね。…まったく、
こんな所だけはしっかり『女』なんだから」
イルカは苦笑を浮かべる。
「…アスマさん、紅さん。……色々お気遣い頂いてありがとうございます。本当に感謝し
ています。…今回は、実際のところ何が本当のベストな選択なのかはわかりません。…で
も、俺も自分よりもカカシさんが大事なんです。……そこだけは……」
ハイハイ、と紅は手を振る。
「そんな事はわかってるわよ、イルカせんせ。…アンタ、カカシの為なら火影岩の上から
だって飛び降りかねないもんねえ……アンタのそういうおバカな一途さは好きよ。それく
らいの気持ちでいる男じゃなきゃ、カカシを任せられないし」
紅の背中に張りついているカカシはきゅ、としがみつく手に力を入れた。
「ま…今のところはね、アカデミーでの妙な噂も何とかしたみたいだし、現状維持で手を
打ってあげるわ。…頑張りなさい。チドリちゃんの為にも」
うん、とカカシは頷く。
「オレね、オレも……頑張る。何とか、イルカ先生の奥さんとして人前に出られるように
工夫する。オレがちゃんと人前に出てれば、イルカ先生が妙な噂たてられたりもしなかっ
たんだもの。…はたけカカシだってバレなきゃいいんだよね?」
アスマはのんびりと煙草に火をつける。
「…ああ。それもそうだな……『芥子』って女がちゃんといて、それがイルカの女房だっ
て世間にアピールすりゃあ少しは眼くらましにはなる。……カカシ、お前も潜入任務だと
でも思って『芥子』って女を作れ。対外用に」
カカシは紅から離れ、大きく頷いた。
「だよねっ! 最初からそれくらい考えなきゃいけなかったんだよ。結婚してからチドリ
産むまで、その必要がなかったからな〜…迂闊だった!」
カカシはくるんとイルカを振り返ると、微笑んだ。
「任せて、先生。…オレ、先生がお仲間にも堂々と紹介出来る『奥さん』をオレの中に作
ってみせますよ。『芥子』をね」
それでもカカシやイルカにとって綱渡り的な生活が続く事に変わりは無かったし、それで
カカシが安全になるわけでもなかったが。
イルカには「そこまでしなくても」と反対する事は出来なかった。カカシの『やる気』
に水を差す事もないし、彼女のフォローを自分が全力でやればいいだけの話である。
「…では、お願い致します」
「うんっ! 楽しみにしてて下さいね」
やれやれ、とアスマは頭をかいた。
「んじゃ、話もまとまったトコで、メシでも食いに行くか、紅」
「あら? 珍しい…ご馳走してくれるの? んじゃ、お言葉に甘えちゃおうっと。…どう
せ、アンタ達は来ないわよね」
イルカは微笑んで、ペコリと頭を下げる。
「そろそろ、チドリを迎えに行く時間ですから。…本当に、今回はご心配をかけてしまい
まして申し訳ありませんでした」
カカシもイルカの隣でちょこんと頭を下げた。
「ごめんね。アスマ、紅も…ありがとうね」
アスマは笑った。
「ま、仕方ねえ。乗りかかった舟っつうかな。…お前が面倒なヤツだってのは先刻承知だ。
悪いと思うなら、もう俺をお前等の痴話喧嘩に巻き込むんじゃねえぞ」
カカシは赤くなって反論した。イルカもぼそっと呟く。
「痴話喧嘩なんか…っしてねえっ!」
「喧嘩…じゃないですよね……」
アスマは呆れた顔で手を振った。紅は横でクスクス笑っている。
「バァカ。……とにかく、仲良くやれって言ってんだよ。じゃあな」
アスマは紅を促がし、二人で行ってしまった。
彼等を見送り、イルカ達も歩き出す。
「………何とか、なります」
「…カカシさん?」
カカシはイルカを見上げ、笑って見せた。
「これからも、色々大変でしょうね。…でも、オレ達は夫婦だもの。一人じゃないんです。
…だから、何とかなるんです」
イルカも微笑んだ。
「…ですね」
取りあえず、こぐま園で一人待っているチドリを迎えに行かなくては。
それから、親子三人で夕ご飯だ。
イルカは保育園に、カカシは夕飯のおかずを買いにそれぞれの方角に足を向ける。

『はたけカカシ』として生きる以上、これからもカカシは今まで通りの任務を請けねばな
らないこともあるだろう。いや、その可能性の方が高い。
イルカも同様である。
忍師だからと言って、依頼任務が全く無いわけではないのだ。
結果、何日も離れ離れになるかもしれない。
 
だけど、とカカシは思う。
 
イルカも同じ思いで日の暮れかかった道を急ぐ。
 
 
 
帰る場所は同じ。
―――三人の『家』なのだ。

      
 
 
 



サスケの件も絡めた総括話にしようかと思ったんですが、ソレやると思いっっきりまた長くなるし、夫婦モノの話はこれでラストじゃないんで、今回はここでシメ、です。

タイトルの「Kaleidoscope」はカレイドスコープ、万華鏡の事ですね。色々な色彩や形が入っている筒の角度を変えると、様々な模様になってとても不思議な世界になって、綺麗。
見てて飽きません。大好き。
コレクションしようかと密かに思う今日この頃。(笑)

入っているものは同じでも、少し角度、視点を変えると違うものが見えるという点で、今回はタイトルにしましたが。

・・・現実世界も万華鏡です。
あんなに綺麗じゃないけれど。

2003/10/28〜04/11/14(完結)

 

BACK